Before (改善前)

パイプのレーザー孔開け加工における工法転換

お客様からは、純水装置向けのステンレス配管材の加工に関するご相談をいただきました。ステンレス鋼管のサイズは、φ42.7×3.0t、長さは1310mmに及ぶ長尺パイプでした。加工工程としては、まず鋸切断で全体のパイプ寸法を決めてから、写真のとおり等間隔にφ5の孔加工を2次元レーザー加工機で9ヶ所加工するという内容でした。

通常レーザーの孔開け加工は、回転装置にパイプを固定し、パイプを回転しながらレーザー加工をすることで真円で仕上げるというのが重要なポイントです。しかしお客様とお打ち合わせを重ねていった際に、このステンレスパイプが純水装置に使われる配管材のため、真円度よりも流水量が担保出来ればよいという点が一番のニーズであることが判明しました。

V

After (改善後)

パイプのレーザー孔開け加工における工法転換

そこで東京金商では、通常はパイプを回転装置に取り付けて加工するところを、写真のようにパイプを治具を用いてレーザー定盤上に固定し、パイプを回転せずに孔開け加工をする工法をご提案いたしました。パイプを回転させながら2次元レーザー加工すると、板厚分だけ外径と内径でテーパーが付き、真円度は高くなる一方で流量は小さくなってしまいます。そのため今回は、パイプを回転せずに、鋼板を切断する要領で真上からレーザー加工することで、テーパーの無い孔開け加工となり、流量が多い孔を加工することができました。

今回の技術提案により、無事にお客様が一番懸念されていた流量の問題も解決され、こちらの特注ステンレスパイプ製品を採用いただくことができました。

POINT(要約)

このように、当社ではお客様が製品をどのように使用するのかを詳細にお伺いした上で、製品の品質を維持しながら最適な加工方法をご提案しております。Φ5という非常に小さな孔加工ではありますが、この小さな技術ノウハウが、大きな効果を発揮します。

東京金商ではステンレスパイプの在庫を常時保有しており、規格品をそのままお届けすることも可能ですが、このようにお客様のお求めになるサイズや仕様に合わせて、ステンレスパイプの一次加工、二次加工を行った製品をお届けする対応も行っております。細かな技術提案で、納期短縮やコストダウン、機能改善もいたしますので、ステンレスパイプ加工のことでお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。