浸透探傷試験とは?
浸透探傷試験とは、赤色や蛍光の浸透性のよい検査液を用いて、表面の割れ、ブローホールなどを検出する非破壊検査方法です。金属、非金属を問わず、表面に開口したクラック(きず)であれば、検出できるため広く利用されている方法です。
浸透探傷試験の手順
ここでは、一般的な溶剤除去性染色浸透探傷試験の手順(カラーチェックの探傷手順例)を解説いたします。
1.前処理
洗浄液(FR-Q)等を用いて、表面の油脂、汚れ等を除去し、欠陥部を開口させた後、充
分に乾燥させます。
2.浸透処理
浸透液(FP-S)を塗布します。浸透時間は通常5~60分間放置して欠陥部に、浸透液を
充分に浸透させます。
3.除去 / 洗浄処理
表面の浸透液を乾いたウエスで除去します。次に、洗浄液(FR-Q)を軽く含ませたウエ
スできれいに浸透液を除去します。水洗型の場合は、シャワー水にて洗浄します。
4.現像処理
現像剤(FD-S)は充分攪拌した後、薄く均一に塗布します。現像時間は通常10~30分
です。
5.観察
明るい所で検査物表面を観察します。クラック(きず)があれば、白地に赤色の指示模様
として現れます。
浸透探傷試験による製品事例
下記では、実際に当社でカラーチェックをおこなった事例をご紹介しております。
プレハブ配管
こちらの製品は、プラント業界の汚水処理場で使用されるステンレス配管です。水処理場では耐食、耐久性に優れるステンレス材を採用するケースが非常に多いです。
完成後は、溶接部の欠陥の有無を検査するためにカラーチェック(浸透探傷試験)の資格を有した技術者が確認しております。
このように製品の検査でカラーチェック(浸透探傷試験)が必要であれば、試験資格を有した技術者が対応致しますので、ご依頼の際はご相談ください。
ダウンカマー
こちらの製品は、石油関係の工場で使われる液体を流す装置ダウンカマーです。材質はSUS304、板厚6㎜、全長約4m、径がΦ850、形状は円筒のような大きめの製品となります。
この製品は、製作工程から溶接に関しては厳しいチェック管理のもと進めなくてはいけなく溶接棒の選定、電流値、開先形状を毎々確認記入、完成後はカラーチェック(浸透探傷試験)で溶接部を全て確認、立会検査と全て合格して納入した難しい内容でした。
ステンレスダクト管
こちらの製品は、民間企業の工場で使われるダクト管になります。Φ1016のパイプに両端をJIS10kのフランジ、胴周りにはΦ165.2の配管ノズ4方向から出る構造となっています。客先よりカラーチェック(浸透探傷試験)で溶接部の欠陥の検査依頼も含まれており、対象資格を有した検査技術者が対応し欠陥等なく報告、無事納品しました。
まとめ
当社では多種多様な製品への浸透探傷試験をおこなっております。
ステンレス製缶板金加工.comを運営する東京金商株式会社では、金属、非金属を問わず、表面に開口したクラック(きず)を検出するための浸透探傷試験をおこなっております。材料商社であるとともに、東京都板橋区と埼玉県加須市に自社工場を構えております。自社工場では鋼板や型鋼、丸棒、継手などの各種材料の在庫だけでなく、新党探傷試験をはじめとする切断加工、穴あけ加工、曲げ加工などの1次加工に対応しております。材料調達と一次加工に関するお悩み・お困りの方は是非一度、お問い合わせください。