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ステンレス製丸棒の呼称の違い・定義について
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ステンレス製丸棒の呼称の違い・定義について

丸棒に関して呼び方が様々なことはご存じでしょうか?
「酸洗丸棒」「ピーリング」「プラスコンバインド」「みがき」「引抜」「直棒」「h9」「センタレス」「h7」等々、
 
これらが聞きなじみのあるものから、初めて聞いた呼び方もあるかもしれません。
また、上記に挙がっていないだけで、その他の呼び方をしている場合もあるかもしれません。
 
しかし、きちんと意味を理解して使用している方や、あるいは違いを聞かれた際に説明できる方は、あまり多くいらっしゃいません。
 
そこで今回は、改めてステンレス(SUS)丸棒の呼称について、違いを解説いたします。
 
 
 

ステンレス(SUS)製丸棒の分類

 
ステンレス(SUS)製丸棒を分類すると、およそ下記のように分類されます。
まず公差が①プラス公差、②マイナス公差、③プラスマイナス両方、の3つで分類されます。
 
そのうえで、加工方法、公差、さらに各社ごとの表現によって、およそ下記のように分類することができます。
 
 
 

ピーリング

ピーリングは、熱間圧延後黒皮を切削して作られているものです。外径はプラス公差になります。
 

プラスコンバインド

プラスコンバインドは、冷間引抜として製造された丸棒です。コンバインド・マシンにて引き伸ばして作られている引抜材ではありますが、外径公差はプラスにて作られているため、プラスコンバインドと呼ばれています。
 

酸洗棒

酸洗棒は、熱間圧延後黒皮を酸洗した後の状態で、公差はプラスもマイナスもあります。
 

h9丸棒

h9丸棒は、公差を表すh9の表示から抜き出した丸棒です。一般的にはみがき材・引抜材・直棒と呼ばれています。
このh9丸棒のみ、呼び方が多数あります。厳密に言えば引抜材・みがき材は別のJIS規格という説もありますが、これらには大きな違いがないというのが当社の見解です。
 

h7丸棒

h7丸棒は、一般的にセンタレスと呼ばれている丸棒で、h9丸棒より精度の高い丸棒です。
 
 
以上のように、丸棒は製造工程や外径公差によって様々な呼称になります。下記は、違いとして多く調べられている内容です。
 
  • 黒皮丸棒とみがき丸棒の違いは、黒皮が熱間圧延によって加工された丸棒で、みがきが冷間圧延によって加工された丸棒です。熱間圧延のため黒い酸化被膜が形成されているため、黒皮(ミルスケール、酸化スケール)と呼ばれています。
  • 引抜丸棒とセンタレス丸棒は、各社によって異なるケースもありますが、一般的にはセンタレス研磨が施されているh7公差で精度が高い丸棒をセンタレス丸棒、h9公差を引抜丸棒と呼称されているケースが多くなります。
 
 
 
また、丸棒の中心に空洞がある鋼材はパイプ配管として、丸棒とは区別されています。
 
 
 

ステンレス製丸棒の選定

 
上記のような違いがあるステンレス製丸棒ですが、どの丸棒がいいかという選定基準としては、求められる精度相手方の部材との兼ね合い等を考慮して選定されます。
 
機械加工用の母材として使用される場合には、全面切削加工されるものにはピーリングが多く、外径をそのまま活かす加工の場合には、h9やh7などの精度がより高いものを使用するケースが多いです。
 
各ステンレス製丸棒の公差については、下記表にまとまっています。規格はJISに沿っています。
 
 
丸棒に関しては特に、会社や担当者によって言い方が異なる場合がありますので、誤解の無いよう注意が必要です。
 
 
各ステンレス丸棒の比較表は下記ページをご覧ください。
 
 

 

ステンレス製丸棒を使用検討されている方は、用途にあった丸棒の選定をするために、上記表をご活用ください。また当社の在庫に関して気になる方は、下記の各丸棒の在庫一覧をご覧ください!

当社では、定尺品の販売から、バンドソー切断した丸棒カット品の販売も行っております。基本的にはSUS304でのラインナップになりますが、ご要望に応じてSUS303等のステンレス製丸棒の調達もいたします。価格について気になる方は、ぜひお問い合わせフォームよりご相談ください。

>>ピーリング棒の在庫品一覧

>>酸洗棒の在庫品一覧

>>センタレス棒の在庫品一覧

>>直棒の在庫品一覧

>>ステンレス六角棒の在庫品一覧

 

 

ステンレス製丸棒の製品事例

続いて、実際に当社で製作したステンレス製丸棒の製品事例をご紹介いたします。

支柱

支柱

こちらは一般設備で使用される撹拌機の支柱を製作した事例でございます。材料としては、Φ180㎜のSUS316Lを使用しており、Φ180xΦ110x215のサイズにて、同様の製品を4個製作いたしました。Φ180mmのピーリング丸棒を、切断代とバンドソー切断機の掴み代を合計した寸法に切り出し、内径をBTA加工にてΦ110mmに削ることで加工しました。そして、内径を削った製品を再度バンドソー切断機によってL:215mmに切り揃え納入いたしました。

>>詳細はこちら

 

食品機器用主軸

本製品は食品機械メーカーの搬送のライン駆動軸になります。一般のピーリング丸棒では真円度や曲がりが有る為、h9引抜丸棒を使用しております。本製品が使われる相手の軸受けがマイナス公差になっており、一般のピーリングはプラス公差のため使えないのでh9引抜丸棒を選択しました。ピーリングでは全体を一回削る必要がありますが、h9引抜丸棒ならそのまま使用できます。フライスでキー溝を加工し旋盤でO-リング用の溝を加工しております。また、軸受けに対しスムーズに挿入できるよう軸受け挿入部のみ、表面を極薄く削っております。尚、h9引抜丸棒は市場性が薄く非常に入手が困難な材料となっておりますが、当社のネットワークを使い迅速に入手し提供致します。

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プラント設備向け 丸棒ロット品

プラント設備向け 丸棒ロット品

こちらは上下水道施設で水位・または水量を調整するためにゲート・バルブを開閉するロット加工品の事例でございます。サイズは130パイ×5500であり、材料としてはピーリング棒SUS304を使用しております。こちらのロット加工品を製作するにあたっては、バンドソー加工並びに旋盤加工機によるキー溝加工を施しております。写真のロット品は割継手を用いて延長し使用します。加工におけるポイントとしては、素材自体が曲がっていたため曲がり取りしながら成るべく傷が付かないように工夫し加工したところにあります。また、キー溝部分の相手部品があり、溝部分でその相手部品を工程させて開閉するために回します。

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用水路ゲート用 ストレートネジ

用水路ゲート用 ストレートネジ

こちらの製品は、バルブ業界で使用されるストレートネジです。サイズはΦ40×L2000mmで、材質には耐錆性に優れたSUS304が使用されています。

このストレートネジは、用水路のゲートバルブに使用され、手動でねじを回すことでゲートが上下する構造になっています。製品は6mの長さまで対応可能で、そのうちネジ切りの長さは最大で2mまで対応できます。製品の使用環境が屋外であるため、錆対策としてステンレス材が採用されています。また、ネジの垂直度や平行度が重要であり、正確な加工が求められます。

重さも考慮し、自重による影響を最小限に抑えた設計・加工が行われています。SUS304は耐食性が高く、長期間にわたり信頼性を維持できるため、屋外での使用に適しています。

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>>棒鋼の製品事例はこちら

 

当社は、大型のステンレス製缶品の製作を得意としており、製缶板金加工から溶接組立、据え付け工事まで、ワンストップ対応いたします。ステンレス鋼材の在庫保有力、各種鋼材の調達力を強みとして、大型工場内の点検歩廊や架台、階段、工場内敷板まで、まとめて一貫対応することができます。

ステンレス板金加工にお困りの方は、まずはご相談ください。

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ステンレス 製缶板金加工にまつわる基礎知識集 一覧

 「ステンレス 製缶板金加工.com」は、東京金商株式会社が長年築き上げた実績をもとに基礎的な知識を記載しております。「製缶板金加工とは?」「ベンダー加工における注意点」「バリ取りにおける注意点」「SUS鋼板の種類」「形鋼の種類」の5つの項目について、以下のページにて紹介しています。

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