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サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?
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サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

ステンレス配管の接合部に「段差」や「溝」が残ると、液だまりや洗浄不良の原因になります。食品・医薬・飲料設備では、こうした微細な凹凸が細菌の温床となり、衛生基準をクリアできないリスクに直結します。

本記事では、東京金商株式会社が長年の製缶板金加工実績で培ってきた「ステンレスパイプ内径の段差ゼロを実現する接合方法(斜め展開接合)」について、仕組みから加工ポイントまで詳しく解説します。

 

 

目次

  • サニタリー溶接とは?——衛生設計の基本
  • 通常の接合方法で起きる問題
  • 内径段差をなくすパイプの合わせ方——斜め展開接合
  • 斜め展開接合の加工ポイントと注意点
  • サニタリー溶接が特に有効なケース
  • 東京金商のサニタリー溶接加工
  • よくある質問(FAQ)

 

 

サニタリー溶接とは?——衛生設計の基本

食品・医薬設備でなぜ内側の仕上がりが問われるのか

食品工場や医薬品製造設備の配管は、製品と直接接触します。そのため、配管内部に菌が繁殖・残留するような形状は絶対に避けなければなりません。特に問題になるのが、パイプの接合部に生じる「段差」「溝」「隙間」です。

これらが存在すると、洗浄液が均一に流れず、液体が滞留(液だまり)しやすくなります。CIP(Cleaning in Place:定置洗浄)を採用している設備でも、段差部分の洗浄残りが品質リスクにつながります。

 

サニタリー溶接とは

サニタリー溶接とは、食品・医薬・飲料設備などの衛生管理が求められる環境で使用するステンレス配管において、内側に段差・溝・液だまりが生じないよう設計・施工された溶接接合のことです。

単に溶接品質が高いだけでなく、「配管内部の形状設計」と「それを実現するための加工技術」が一体となって初めて成立します。

 

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通常の接合方法で起きる問題

通常展開加工だと内側に隙間・段差が生じる理由

パイプを別のパイプに接続する際、一般的な方法では「パイプの外形を基準」に展開・切断します。この場合、2本のパイプが交わる部分の内径側に「隙間」が生じてしまいます。

外側から溶接した場合、溶接ビードが盛り上がって外周部は埋まりますが、内側の隙間・段差はそのまま残ります。特に溶接トーチがパイプ内部に入らない形状(小径パイプや複雑な分岐配管)では、内面の後処理が難しく、段差が解消できません。

 

下記は実際のパイプ接合部の展開図です。

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

 

通常の展開方法で加工をすると、パイプ内径に隙間が出来てしまいます。(白破線が接合部)

 

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

水色破線が各パイプ内径ですが、隙間となる溝・段差が生じてしまいます。

 

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

こちらも同様ですが、より溝・段差が大きくなっています。

そのため、各パイプの内径部分を交点とし接合するように展開しなければいけません。

 

段差・溝が残ることで起きること
  • 液だまり:流体が停滞し、残液・残渣が蓄積する
  • 洗浄不良:CIPでも段差部に洗浄液が均一に届かない
  • 腐食リスク:隙間に水分が溜まり、すきま腐食が発生しやすい
  • 異物混入リスク:段差部に固着した残渣が剥離し、製品に混入するおそれ

 

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内径段差をなくすパイプの合わせ方——斜め展開接合

基本的な考え方:内径の交点を起点に展開する

東京金商が実践する内径段差ゼロの接合では、「外形基準」ではなく「各パイプの内径部分を交点(接合点)として展開する」ことが出発点です。

具体的には、2本のパイプが交わる際、それぞれの内径の交差ラインを基準に双方のパイプを斜めに展開・切断することで、内側の接合部に「隙間ゼロ」の合わせ面を作ることができます。

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

先ほどの図面を基に、各パイプを取り出したものが上記の通りです。緑線が切断寸法です。

 

斜めに削り合わせる加工の流れ

接合部の展開図から各パイプの切断寸法を割り出し、それぞれのパイプを白破線部分に沿って斜めに切削・すり合わせ加工します。

この斜め切り加工により、2本のパイプを突き合わせると内側の段差がなくなり、外周部のみを溶接するだけで仕上げることができます。溶接トーチが内部に入らなくても、内面の段差がゼロになるのが最大の特長です。

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

上記図のように、通常の加工と比較すると、緑実線と白破線の部分を双方削る事になるため、溶接前のすり合わせ加工が多くなります。しかし下写真のように、パイプの内側部に溝・段差をなくすことができます。

 

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

サニタリー溶接について|ステンレス配管接合の段差・液だまりをなくす方法とは?

 

 

外周溶接のみで完結する理由

斜め展開接合では、接合部の内面が完全に突き合わさった状態になるため、外周部から溶接するだけで内側に段差・溝が生じません。これにより:

  • 溶接トーチが届かない小径パイプ・複雑形状にも対応可能
  • 内面研磨・後処理の工程を省略できる
  • サニタリー性・洗浄性に優れた仕上がりが実現する

 

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斜め展開接合の加工ポイントと注意点

通常加工より工数が増える部分がある

斜め展開接合では、通常のパイプ接合に比べて、切断寸法と接合面の双方を削る工程が加わります。そのため、溶接前のすり合わせ加工の工数は増加します。

ただし、この追加工数は内面の段差ゼロという品質向上と、内面後処理の省略によって相殺されるケースが多く、トータルコストで見ると合理的な選択です。

高精度の展開図・切断寸法管理が必要

内径を基準に展開するためには、パイプの内径寸法・肉厚・接合角度を正確に把握した上で展開図を作成する必要があります。展開精度が低いと、すり合わせ段階で合わせ面にズレが生じ、段差ゼロが実現できません。

すべての形状に最適とは限らない

接合角度や径の組み合わせによっては、斜め展開接合が形状上困難な場合や、通常接合+内面研磨の方がコスト面で優位なケースもあります。どちらが適切かは形状・仕様・数量・求められる衛生基準をもとに判断する必要があります。

東京金商では、お客様の図面・仕様をもとに最適な加工方法をご提案いたします。

 

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サニタリー溶接加工が特に有効なケース

以下のような条件が重なるパイプ接合に、斜め展開接合は特に高い効果を発揮します。

  • 溶接トーチが内部に入らない小径パイプや複雑な分岐形状
  • CIP(定置洗浄)対応が必要な食品・飲料・医薬品製造ライン
  • 内側の液だまりや洗浄残りが品質・安全に直結する設備
  • 継ぎ目の溝・段差が原因で過去に洗浄不良が発生したことのある設備
  • 衛生検査・第三者監査で内面品質の証明が求められる場合

 

 

東京金商のサニタリー溶接加工

東京金商株式会社は、ステンレス材料の調達から一次加工・溶接組立・表面処理まで一括対応できる体制を整えています。80社以上の加工業者ネットワークを活用し、食品・医薬・飲料設備向けのステンレスパイプ接合において、斜め展開接合をはじめとするサニタリー対応の溶接加工を提供しています。

  • 展開図の作成から切断・すり合わせ・溶接まで一貫対応
  • 食品機械・医薬品製造設備・飲料設備など幅広い業界での実績
  • 最大14mサイズの大型製缶板金品にも対応
  • 北関東拠点・関東全域+全国対応

 

パイプ接合の衛生品質向上や、サニタリー溶接に関するご相談は、お気軽に東京金商までお問い合わせください。

 

 

よくある質問(FAQ)

Q1. サニタリー溶接と通常溶接の違いは何ですか?

通常溶接では配管内部の段差・溝の有無は特に問われませんが、サニタリー溶接では「内側に段差・液だまりが生じない設計と施工」が必須条件になります。斜め展開接合はその具体的な実現手法の一つです。

Q2. 溶接トーチが入らない小径パイプでも内径段差ゼロにできますか?

はい、可能です。斜め展開接合は外周溶接のみで内径段差をなくすことができるため、溶接トーチが入らない小径パイプや複雑な分岐形状でも有効です。詳細はお気軽にご相談ください。

Q3. 食品・医薬設備以外でも対応できますか?

もちろんです。液だまりや腐食リスクの低減が必要であれば、業界・用途を問わず適用できます。化学・半導体・水処理設備など幅広い分野でのご相談をお待ちしています。

 

 

本事例は、純水装置向けのステンレス配管材の加工に関するご相談です。

今回の事例は、ステンレス鋼管のサイズは、φ42.7×3.0t、長さは1310mmに及ぶ長尺パイプのため、対応させていただいた事例です。等間隔にφ5の穴開け加工をレーザー加工機で9ヶ所開ける必要がありました。

通常、レーザーによる穴開けは、外径の3分の1ほどの穴径なら対応可能とされています。しかし、実際は板厚などの影響で対応できない場合もあるため、ステンレスパイプの形状などを踏まえて行う必要があります。そして今回のお客様は、真円度よりも流水量を確保して欲しいとのご要望がございました。

※図はイメージです

 

そのため、当社ではパイプを回転させずに、鋼板を切断する要領で真上からレーザー加工する提案をさせていただきました。それにより、テーパーの無い孔開け加工となり、流量を確保することが出来ました。

>>パイプのレーザー孔開け加工における工法転換の詳細はこちら

>>接合方法に合わせたレーザーパイプ加工事例の詳細はこちら

>>当社のVE事例一覧はこちら

 

 

ステンレスパイプ加工に関する製品事例

続いて、実際に当社が加工したステンレスパイプのレーザーカットに関する製品事例をご紹介いたします。

パイプスキマ(脱水ろ液搔寄機)

パイプスキマ(脱水ろ液搔寄機) (2)

こちらの製品はパイプスキマ(脱水ろ液搔寄機)です。
パイプを酸素ガスを使用し、レーザー加工で穴あけ加工(切断加工)を行っております。

酸素ガスを使用することで、スパッタが発生する場合がありますが、本製品は酸洗いを行うことで、スパッタを綺麗にしています。窒素ガスを使用しレーザー加工を行うことも可能ですが・・・

>>詳細はこちら

 

Y字継手

こちらはタンクのノズル部分に使用される配管となります。

SUS304溶接管76.3X5.2のパイプにネジ加工を施しその後レーザー切断機により穴加工及び切り欠きをおこなったY字の継手製品です。

加えて、枝管となるパイプもレーザー切断機によって角度を合わせ、切断を可能にした製品となっております。

>>詳細はこちら

 

 
TP‐A製 丸パイプ穴あけ加工

TP-A製 丸パイプ穴あけ加工
こちらはTP-A 150 SUS304製の丸パイプに四方から穴あけ加工をした製品です。

このような穴付きの丸パイプを製造する方法はいくつかありますが、平板にあらかじめ丸穴を開けてからパイプ形状に曲げる方法があげられます。しかしこの方法では穴が曲がってしまうため、パイプに他部品を突き合わせる場合は、要求精度に満たなくなってしまいます。

また機械加工で丸パイプに穴あけ加工をする方法もあります。しかし機械加工による穴あけの場合は、小さい穴を開けてから徐々に穴径を広げる工程になります。この方法では、どうしても時間も費用もコストがかかってしまう点が問題となりますので、当社ではこの問題を解決するために…

>>詳細はこちら

 

TEE用パイプ配管

TEE用パイプ配管

こちらはSUS304 TP-A Φ216.3×3tのTEE用のパイプ切断加工です。バンドソーで必要長さに切断後レーザーで穴開け、切欠きをしています。

なおこちらの事例においては母管と枝管は同径のものを使用しておりますが、母管に比べて枝管が小さい物までご要望に合わせて穴あけ切欠きの加工を施すことが出来ます。

>>詳細はこちら

 

製紙装置向けステンレスパイプ

こちらは製紙関係の工作機械向けのステンレスパイプです。

サイズは165.2φ×5×4000で、写真よりも実物を長く感じる製品です。

2本のパイプが排出と巻取りのセットで使用されるため、パイプ径や穴精度が非常に厳しい製品でした。

また穴は片側の表面のみ必要で、裏側の穴加工をしないために、またスパッタが付かないようにするために、中に丸棒などを通すことで対策しながら加工いたしました。

>>詳細はこちら

 

 

芯ずれ 大径パイプレーザー加工

115_芯ずれ 大径パイプレーザー加工

こちらの製品は、プラント設備業界で使用されるステンレス(SUS304)製の芯ずれ大径パイプです。サイズは300A×1500mmです。

お客様からは、芯ずれによる特殊な形状を持つパイプの製作をご依頼いただきました。芯ずれが原因でパイプが涙目の形状になり、通常の加工方法では精度の高い穴あけが困難です。そこで、東京金商ではレーザー加工を用いて高精度な穴あけ加工を実現しました。

>>詳細はこちら

 

 

 

>>製品事例一覧はこちら

 

 

当社は、ステンレスパイプの穴開け加工技術や、パイプ加工に関する技術提案力に自信があります。お客様の製品の使用用途を詳細にお伺いすることで、最適なパイプ加工の選択や技術提案をすることができます。また当社ではステンレスパイプ配管の加工だけでなく溶接まで一貫対応しております。ステンレスパイプの加工にお困りの方は、まずはご相談ください。

>>ご相談・お問合せはこちら

 

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